薬剤師は性格がきつい人が多い?厳しい指導との違い・職場での対処法

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女性薬剤師が職場で「言い方がきつい」と感じたときの人間関係・厳しい指導・パワハラの違いを考える記事アイキャッチ

薬剤師はプライドが高く、性格がきつい人が多いの?

「患者さんの前で強い口調で注意されて、次から聞くのが怖くなった」
こういった経験ある方いるかと思います。

同じ店舗で毎日働いていると、一人の言い方がきついだけでも職場全体が息苦しくなります。

特に新人薬剤師は、分からないことを聞かなければならない一方、また冷たく返されるのが怖くて萎縮しやすいものです。

結論からいってしまうと、薬剤師だから性格がきつくなるわけではありません

ただし、患者さんの安全に関わる緊張、人手不足、狭い調剤室、経験者に判断が集中しやすい職場構造によって、元々の言い方のきつさが表に出やすい仕事ではあります。

私自身、正社員・派遣・単発等で複数の薬局で働いてきました。職場が変わると、同じ薬剤師の仕事でも質問のしやすさや注意のされ方はかなり違います。

個人の性格だけでなく、管理薬剤師の考え方や店舗の余裕によっても雰囲気は変わります。

この記事では、単に「合わない人はどこにでもいる」で終わらせません。患者安全のために必要な厳しい指導と、我慢する必要のない言動を切り分け、今の職場でどう動くかまで具体的に解説します。

こういった方向けの記事です
  • 言い方がきつい先輩薬剤師や管理薬剤師に萎縮している人
  • 厳しい指導なのか、単なる人格否定なのか判断できない人
  • 調剤薬局の人間関係に疲れ、異動や転職を迷っている人
  • 自分も後輩や事務スタッフにきつく接していないか確認したい人
目次

薬剤師に性格がきつい人が多いとは言い切れない

私も様々な職場で働いてきましたが、言い方がきつい人やプライドが高く見える人がいるのは事実です。しかし、そこから「薬剤師は性格が悪い人ばかり」と結論づけるのは違います。

2021年に薬剤師111人を対象として行われた民間調査では、人間関係が悪くなる原因として「性格的に変わった人の存在」を挙げた回答が80.2%、「忙しい・人手不足」が47.7%。

また、転職原因となった人間関係トラブルでは、「上司や年上薬剤師によるいじめや厳しすぎる対応」が48.3%とされています。

ただし、これは111人を対象にした民間のインターネット調査です。「薬剤師の8割は性格がきつい」という意味ではなく、人間関係が悪化した理由について、回答者がどう感じたかを示した結果として見る必要があります。

また、厚生労働省の令和5年度「職場のハラスメントに関する実態調査」では、業種を限定しない労働者の19.3%が、過去3年以内に勤務先でパワーハラスメントを受けたと回答しています。

きつい上司や職場のハラスメントは、薬剤師だけの問題ではありません。

重要なのは、「薬剤師という資格のせい」と決めつけることではなく、個人の言動と、その言動を強めている職場環境を分けて考えることです。

薬剤師が「性格がきつい」と思われやすい5つの理由

1.小さな確認漏れが患者さんの安全に関わる

薬剤師の仕事では、規格、用量、日数、併用薬、腎機能などの確認漏れが患者さんの不利益につながる可能性があります。

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」でも、薬剤師の仕事は「厳密さ・正確さ」と「ミスの影響度」がともに高い仕事として示されています。

鑑査や疑義照会に関わる場面では、普段は穏やかな人でも口調が強くなることがあります。危険を止めるために、その場で短く強く伝えなければならない場合もあるでしょう。

ただし、安全上の緊急性があることと、後輩の人格を傷つけてよいことは別問題です。

2.調剤室が狭く、人間関係から距離を取りにくい

調剤薬局では、限られた人数が同じ調剤室で長時間働きます。相性が悪くても、席を離したり、別部署で仕事をしたりするのが難しい職場。ここが結構ネックですよね…

一度関係がこじれると、投薬、監査、薬歴、休憩のすべてで相手の存在が気になります。大きな会社に勤めていても、日常的に接するのは店舗内の数人です。

一人の言動が店舗全体の雰囲気を左右しやすいのは、薬局特有のつらさだと思います。

3.人手不足と忙しさで言葉を選ぶ余裕がなくなる

処方せんが集中している時間帯に、電話、疑義照会、在庫確認、患者対応が重なると、職場全体に余裕がなくなります。

もちろん、忙しさは他人にきつく当たってよい理由にはなりません。

しかし、普段なら「ここをもう一度確認してみよう」と言える人が、「それ違う」「今聞かないで」と返してしまうことはあります。

いつもきついのか、繁忙時だけなのかを見ると、個人の性格と職場環境を切り分けやすくなります。

4.経験者の「分かって当然」が増えやすい

長く働いている人にとって当たり前の店舗ルールも、新人や派遣薬剤師には分かりません。

ところが、手順がマニュアル化されていない職場ほど、「前にも言ったよね」「普通は分かるでしょう」と、経験者の感覚が基準になりがちです。

教える側が、自分も最初は知らなかったことを忘れている場合もあります。

これは新人の理解力だけの問題ではなく、店舗ルールを言語化せず、質問した人の能力の問題にしている職場側の課題でもあります。

5.管理薬剤師やベテランに権限が集中しやすい

小規模な店舗では、シフト・業務分担・評価・休暇の相談先が同じ人に集中することがあります。

その人との関係が悪くなると、質問だけでなく勤務そのものがつらくなります。

特に新人、事務スタッフ、パート、派遣薬剤師など、立場によって態度を変える人には注意が必要です。

相手によって言い方を変えているなら、「患者安全のため厳しい人」ではなく、力関係を利用している可能性があります。

「厳しい指導」と「性格がきつい・問題のある言動」の違い

判断するときは、声の大きさだけでなく、何を目的に、どのように伝え、その後どう接しているかを見ます。

見るポイント厳しいが必要な指導性格がきつい・問題のある言動
注意する対象ミスや確認不足など具体的な行動「向いていない」など人格や能力全体
理由患者安全や店舗ルールを説明する機嫌や好みで態度が変わる
注意する場所必要以上に人前で責めない患者さんや同僚の前で恥をかかせる
質問への対応再発防止のための質問には答える「自分で考えて」と突き放すだけ
基準相手が変わってもおおむね同じ新人、事務、派遣などにだけ強い
注意した後正しい手順と改善方法を共有する昔のミスまで持ち出し、責め続ける

例えば、

この規格だと過量になる可能性があるから、処方せんと薬歴をもう一度確認してください

は、言い方が多少強くても、危険性と確認すべき行動が分かります。

一方で、

こんなことも分からないなら、薬剤師に向いていない

は、再発防止につながらない人格否定です。

指摘内容が正しくても、患者さんの前で怒鳴る、質問を封じる、無視する行為まで正当化されるわけではありません。

厚生労働省「あかるい職場応援団」は、人格を否定する侮辱やひどい暴言を「精神的な攻撃」、無視や仲間外しを「人間関係からの切り離し」の代表例として挙げています。

性格がきつい薬剤師への対処法

1.まず「指摘内容」と「言い方」を分ける

注意された直後は腹が立ったり、頭が真っ白になったりします。まずは、患者安全に関わる指摘が含まれていないかを確認しましょう。

  • 指摘された事実は何か
  • 次回から変えるべき手順は何か
  • 店舗内で基準が統一されているか
  • 人格否定や見せしめが含まれていないか

指摘内容が正しいなら、業務上必要な部分は受け取ります。ただし、傷つく言い方まで「自分が悪いから仕方ない」と引き受ける必要はありません。

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2.感情で言い返さず、具体的な手順を質問する

相手の口調に反応して言い返すと、「態度の問題」にすり替えられることがあります。会話を具体的な業務へ戻すのが有効です。

使いやすい返し方は次のとおりです。

「次回から同じミスをしないために、具体的な確認手順を教えてください」

「指導内容を統一したいので、店舗ルールとして共有してもらえますか」

「指摘された内容は修正します。患者さんの前ではなく、業務後に伝えていただけると助かります」

緊急性の高い場面では、まず患者対応を優先し、落ち着いてから確認しましょう。

3.繰り返す場合は記録を残す

一度口調が強かっただけでは、繁忙や緊急対応の影響も考えられます。しかし、人格否定、無視、人前での叱責などが繰り返されるなら記録を残しましょう。

記録する項目は以下です。

  • 日時と場所
  • 誰から誰への言動だったか
  • 実際に言われた内容やされたこと
  • そのときの業務状況
  • 見ていた人がいるか
  • 体調や業務にどのような影響が出たか

厚生労働省の相談案内でも、日時、場所、言動、相手、目撃者などを整理しておくことが勧められています。

感情だけでなく事実を時系列で示せると、相談先も対応しやすくなります。

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4.本人以外の相談先を使う

本人と直接話して改善する場合もありますが、相手が管理薬剤師だったり、話すとさらに態度が悪化しそうだったりするなら、無理に一対一で解決する必要はありません。

  • 薬局長・管理薬剤師
  • エリアマネージャー
  • 本部の人事・コンプライアンス窓口
  • 派遣会社の担当者
  • 労働組合

派遣薬剤師の場合、就業先だけで抱え込まず、派遣会社にも早めに共有しましょう。契約更新や次の就業先を含めて調整できる可能性があります。

「相性が悪い」だけで片づけられないよう、記録した事実と、仕事への影響を具体的に伝えることが大切です。

5.異動できるなら、転職より先に検討する

同じ会社でも、店舗が変わると人間関係や質問のしやすさは大きく変わります。

会社の待遇や仕事内容には不満がなく、特定の人との関係だけが問題なら、異動で解決できる可能性があります。

一方、会社に相談しても動かない、異動先がない、複数店舗で同じ体質がある場合は、転職も現実的な選択肢です。

6.改善しない場合は外部窓口へ相談する

厚生労働省の「総合労働相談コーナー」は、いじめ、嫌がらせ、パワハラを含む幅広い労働問題を対象としており、電話または面談で相談できます。予約不要・無料で、全国378か所に設置されています。

パワハラに当たるか自分だけでは判断できない段階でも相談して構いません。

会社の窓口が機能していない場合や、相談後に不利益な扱いを受けた場合も、外部相談を検討しましょう。

我慢より異動・転職を優先したほうがよいサイン

次の状態が続くなら、「もう少し我慢すれば変わる」と考え続けるより、離れる準備を始めたほうがよいでしょう。

  • 人格否定、怒鳴る、無視などが繰り返されている
  • 質問すると責められるため、必要な確認ができない
  • 店舗内で指導内容が人によって変わる
  • 上司や本部へ相談しても改善せず、報復的な対応を受けた
  • 出勤前の動悸、不眠、食欲低下、涙が出るなどの不調がある
  • 萎縮によって監査や投薬の安全性に影響が出始めている

特に、質問できない状態は本人のつらさだけでなく、患者さんの安全にも関わります。

耐えることが薬剤師としての責任感ではありません。安全に働けない職場から離れることも、専門職として必要な判断です。

体調に影響が出ている人は、転職活動より先に休養や医療機関への相談を優先してください。

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人間関係のよい薬局を見分けるチェックポイント

転職先でも同じ問題を繰り返さないためには、求人票の年収や休日だけでなく、店舗の空気を確認する必要があります。

見学や面接では次の点を見てください。

  • 新人や事務スタッフが管理薬剤師へ質問できているか
  • ミスが起きたとき、個人攻撃ではなく手順改善の話をしているか
  • 薬剤師と事務スタッフで挨拶や話し方が極端に違わないか
  • 忙しい時間帯に誰がフォローへ入るのか
  • 一人薬剤師になる時間がどの程度あるか
  • 欠員時の応援体制があるか
  • 合わない場合に店舗異動ができるか

面接では、次のように聞くと実態を確認しやすくなります。

「入社後、独り立ちまでどのように質問や確認ができる体制ですか」

「ヒヤリ・ハットが起きた際は、店舗内でどのように共有していますか」

「急な欠員が出た場合、他店舗からの応援体制はありますか」

「人間関係は良いですか」と聞くだけでは、ほぼ必ず「良いです」と返ってきます。

具体的な場面を質問し、可能なら実際の店舗を自分の目で見たほうが判断しやすくなります。

▼関連記事:薬剤師の転職活動は退職前・辞めてからどっち?在職中に始めるべき理由と例外
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自分が「性格のきつい薬剤師」になっていないか

忙しい店舗で経験を積むほど、初心者のつまずきが理解できなくなることがあります。

  • 「普通は分かる」と言っていないか
  • 質問されたとき、手を止めず不機嫌に答えていないか
  • 患者さんの前で後輩を注意していないか
  • 新人、事務、派遣にだけ口調が強くなっていないか
  • 正解だけを伝え、理由や確認手順を説明していないのではないか

患者安全のために厳しく確認することは必要です。しかし、本当に安全な職場は、分からない人が早めに質問できる職場です。

「ミスを許さない空気」を作った結果、ミスが隠されるようになれば逆効果です。

きつく叱ることより、次に同じことが起きない仕組みを作るほうが、患者さんを守ることにつながります。

まとめ:必要な指導は受け取り、人格否定まで我慢しない

薬剤師に性格がきつい人が多いとは言い切れません。ただし、患者安全へのプレッシャー、狭い調剤室、人手不足、経験者への権限集中によって、きつい言動が生まれやすく、逃げにくい職場はあります。

判断のポイントは、注意の目的が患者安全と再発防止にあるのか、それとも相手を萎縮させ、支配する言動になっているのかです。

必要な指導は受け取り、改善すべき手順は直す。

一方で、人格否定、無視、見せしめ、質問を封じる行為まで我慢しない。この二つを分けて考えてください。

相談しても改善しないなら、異動や転職は逃げではありません。質問と確認ができる環境を選ぶことは、自分だけでなく患者さんの安全を守ることにもつながります。

\ 実際の店舗ごとの情報量が段違い /

よくある質問

女性薬剤師は性格がきつい人が多いですか?

性別だけで性格を判断できる根拠はありません。

女性が多い職場や少人数の職場では人間関係が目立ちやすいことはありますが、それを「女性薬剤師の性格」の問題に置き換えないほうがよいでしょう。

忙しさ、権限の偏り、教育体制など、実際に変えられる要因を見ることが大切です。

言い方がきついだけでもパワハラになりますか?

口調が強かったという一点だけで、直ちにパワハラと決まるわけではありません。

優越的な関係、業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動、就業環境への悪影響などを踏まえて個別に判断されます。

ただし、人格否定、繰り返す暴言、人前での侮辱、無視などは記録を残し、早めに相談してください。

新人薬剤師は厳しい指導を我慢すべきですか?

患者安全に必要な確認や指導は受け止める必要があります。しかし、人格否定や質問できない環境まで我慢する必要はありません。

新人が確認できない職場は、教育上だけでなく医療安全上も問題があります。

自分のミスが原因なら、きつく言われても仕方ないですか?

ミスの内容を振り返り、再発防止へつなげる責任はあります。

しかし、ミスをしたことと、人格を傷つけられてよいことは別です。具体的な手順を確認しつつ、問題のある言動が続く場合は相談してください。

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