発端はこのポスト
https://x.com/morningshow_tv/status/1962761998892228910
2026年度からの導入が検討されているOTC類似薬の保険適用見直し(※決定ではないです)
これは、これまで保険診療の対象だった一部の医療用医薬品を、患者が自己負担で購入するOTC医薬品へと移行させる動きです。
上記の羽鳥慎一モーニングショーが提示した、「準処方箋」を介した購入の流れは、
まだ検討段階の私見に過ぎませんが、このポストは、医療そのものに大きな変化が迫っていることを象徴しています。
これらがもし本格化したら、単なる制度の変更ではありません。
国が医療費抑制とセルフメディケーション推進を加速させる中、薬剤師の役割そのものを見直す、まさに業界の転換点と呼ぶべきものです。

出典:https://x.com/morningshow_tv/status/1962761998892228910
✔ なぜ、OTC類似薬の保険適用見直しが、薬剤師の新しい役割を生み出すのか
✔ 正社員・パート薬剤師が、今後の変化にどう備え、キャリアと収入を向上させられるか
✔ 派遣薬剤師の働き方がどう多用化していく可能性があるのか
✔ 変化を前向きに捉え、薬剤師としてさらに成長するためのキャリア戦略
「OTC類似薬の保険適用見直し」の全容と背景:なぜ今、議論されているのか?
この制度の動きは、しばしば「保険外し」と表現されますが、正確には「保険給付の在り方の見直し」、つまり医療費の適正化を目的とした制度の再構築です。
その背景には、主に二つの大きな要因があります。
1. 国の医療費抑制という最大の目的
日本の医療費は年々増加の一途をたどっており、その財源を確保することが大きな課題となっています。
OTC類似薬は、本来市販薬として購入できるにもかかわらず、医師の処方によって保険が適用されることで、国の医療費を押し上げる一因とされてきました。
この不公平感を解消し、医療費を適正化することが、今回の制度見直しの最大の目的です。
2. セルフメディケーションの推進
患者が自らの健康に責任を持ち、軽度な症状はOTC医薬品で対処する「セルフメディケーション」は、医療費削減だけでなく、医療機関の負担軽減にもつながります。
OTC類似薬を保険適用外とすることは、患者が積極的にOTC医薬品を選ぶきっかけとなり、薬剤師がその相談役として活躍する場を広げることになります。
羽鳥慎一モーニングショーが示した「準処方箋」という仕組みは、現行の法律には存在しません。多くの専門家が、このアイデアには法的な課題が伴うと指摘しています。
しかし、この制度変更がもし実現した場合、調剤報酬の減少を招き、薬剤師の働き方や薬局経営に大きな転換を迫ることは間違いありません。
この変化の波を「脅威」ではなく「チャンス」と捉えることが、これからの薬剤師には求められます。
薬剤師への具体的な影響:働き方と収入はどう変わるのか?
正社員・パート薬剤師:調剤からカウンセリングへ。専門性を高めて評価アップ
OTC類似薬の保険適用見直しが進むと、調剤業務の量は減る可能性があります。
これは、業務の中心軸が「薬そのものから患者の健康へ」とシフトする、ポジティブな変化と捉えられます。
- 給与体系の変化:
今後は、OTC販売やセルフメディケーション支援、在宅医療といった
患者と直接向き合う対人業務への貢献度が、給与や昇進に大きく反映されるようになるでしょう。
- 新たな専門性の確立:
OTC医薬品に関する深い知識とコミュニケーション能力を持つ薬剤師は、薬局内での評価が上がり、給与面でも優遇される可能性があります。
- パート薬剤師の新たな役割:
パート薬剤師も、ただ調剤の補助をするだけでなく、積極的に患者とコミュニケーションを行う
OTC販売や健康相談に関わることで、時給アップや勤務時間の確保につながる可能性があります。
派遣薬剤師:働き方が多様化する。専門スキルが大きな武器に
一般的な派遣薬剤師にとって、「調剤業務の減少」は不安材料かもしれません。
しかし、これは「仕事がなくなる」のではなく、「仕事の内容が変わる」と捉えてみるのはどうでしょう。
これまでの派遣薬剤師は、突発的な欠員や繁忙期の「穴埋め」が主な役割でした。
しかし、OTC類似薬の保険外しが本格化すれば、
特定の課題を解決するプロとしての派遣薬剤師の需要が高まる可能性もあります。
- 案件の多様化:
OTC需要がさらに高まった場合、OTC薬剤師派遣募集が増えることも考えられます。
在宅医療を強化する薬局に期間限定でサポートに入ったりといった、
特定のスキルを活かした専門的な案件が増えていく可能性もあります。
- 専門性による価値の向上:
OTC医薬品の知識を深めたり、特定の疾患領域の専門性を磨くことで、高時給の希少な案件を獲得するチャンスかもしれません。
これからは、「いつでもどこでも働ける」という汎用性だけでなく、「特定の分野に強い」という専門性を武器にできるかが重要になります。
- 仕事の幅の拡大:
OTC関連の新人研修や勉強会を担う講師としての派遣需要など、薬剤師としてのスキルを活かせる新たな仕事も生まれてくる可能性があります。
要は、時代に沿って需要というのは変化していきます。
今では思いつかない仕事・業務が増えることで、新たな薬剤師の業務や需要が増える可能性もあるということです。
まとめ:未来を拓くために、今からできること
OTC類似薬の保険適用見直しは、間違いなく薬剤師の働き方に大きな転換を迫ります。
しかし、この変化を「あ~これで薬剤師は終わりだ」といった脅威ではなく
成長のチャンスと捉える気持ちが、これからのキャリアを左右します。
未来のために今すぐできること
- 具体的なアクションプラン
- スキルアップ: OTC医薬品に関する知識を深め、健康相談に関する専門資格(例:JPALS、研修認定薬剤師など)の取得を検討しましょう。
- キャリアプランニング:
地域医療連携のイベントに積極的に参加したり、自身の専門性をSNSで発信したりすることで、
業界内外でのネットワークを広げましょう。
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